南の雄大な太平洋と、北の険しい四国山地に囲まれた土佐国。当館はこの独特の風土から育った多士済々な高知の文学者を、テーマ毎に紹介する。県内に残る唯一の貫之筆(伝)拓本「月字額」や、江戸期の歌人で賀茂 真淵に私淑し、国学を研究し、万葉集を研究指導し、いにしえぶりの歌を詠んだ今村楽の短冊を展示紹介する。
〒780-0850 高知県高知市丸ノ内1-1-20
TEL:088-822-0231
醍醐天皇(885-930)の命により編纂された古今和歌集。巻物の一部を切り、掛軸などに仕立て直すのが、断簡、切。その古今和歌集の最古の写本で、平安時代から名筆、古筆切(コヒツギレ)の代表作品。 洗練された美しいかな文字のつながり続くさま、連綿が見事で、切れ味の鋭い筆の線を駆使して、明るく流動する美を造形。この、しとかでうるわしい、優麗典雅(ユウレイテンガ)な書風は、平安貴族が、書道の手本とする。 もとは20巻を揃え6人の合作、寄合書(ヨリアイガキ)と考えられる「高野切」の名は、豊臣秀吉が高野山の僧、木食応其(モクジキオウゴ 1536-1608)に、その断簡を与えたことに因んでいる。
歌人紀貫之が第48代土佐国司を務めた邸宅跡近くの当寺。高浜虚子一族の句碑のある、お遍路さんを年中静寂で清涼に迎える杉苔の庭園がある。やはり天平11(739)年の詔でその国の一番よき地として選ばれた歴史を納得させる。中世に苔むす廃寺同然になっても、永禄元(1558)年、長宗我部元親が再建し歴史をつなぐ。
〒783-0053 高知県南国市国分546
TEL:088-862-0055
承平4年(934)、4年間の土佐守の任期を終え、京に戻る55日間の旅を、「男がすなる日記」を「女がしてみむとてする」と、日記を創作し、和歌を入れ、仮名文字でつづる。中国の漢字、書に対し、日本の仮名文字、書を確立する道を開いた土佐日記。それは60歳を過ぎ最晩年の貫之が、後世日本に残した贈り物だった!
紀貫之 角川ソフィア文庫
Tags : 高知県高知県立文学館
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